旅行ブランドのVI設計で最初に決めるべき3つのこと
新しいホテルや旅行ブランドのVI設計を依頼されるとき、最初にロゴの話をしたがるクライアントが多いです。気持ちはわかります。ロゴは目に見えるし、「できた」感がある。でも、ロゴより先に決めるべきことが3つあります。
1. 誰に向けたブランドか
ターゲットが決まっていないと、デザインの方向性が決まりません。「30代の女性旅行者向け」と「50代のビジネス旅行者向け」では、フォント、色、写真のトーン、全部変わります。
「幅広い層に」という答えが返ってくることがありますが、それはデザインの指針にはなりません。まず「一番来てほしいお客さん」を1人具体的にイメージすることから始めます。
2. 競合と何が違うか
同じエリアの競合ホテルや旅行会社のビジュアルを並べてみると、似たようなデザインが多いことに気づきます。青と白の爽やかな配色、明るい笑顔の写真、丸みのあるフォント。それが業界の「普通」です。
「普通」に合わせることで安心感は出ますが、記憶には残りません。競合と何が違うかを言語化できると、デザインで差別化する方向性が見えてきます。
3. 10年後も使えるか
ブランドのVIは、頻繁に変えるものではありません。特にロゴは、一度作ったら5〜10年は使い続けることになります。今のトレンドに乗りすぎたデザインは、3年後に古く見えます。
「今っぽい」より「時間が経っても恥ずかしくない」を基準にすることを、私たちはクライアントに伝えています。流行を取り入れるなら、ロゴではなくキャンペーンビジュアルで取り入れるほうが、長期的には賢明です。
VI設計は、ロゴを作ることではなく、ブランドの輪郭を決めることです。この3つが整理できてから、初めてデザインの話を始めます。